ごきげんよう、えぞしまです。


今回ご紹介する本は、
なんと絶版です。




「そうです。皇帝の1日は、通報者たちの報告を聞くことから始まります。危険な企ては夜生まれます…」。密告制度を張りめぐらし、飼いライオンにしか心をひらかなかった“哲人皇帝”ハイレ・セラシエ。世界最古の帝国に君臨した独裁者の、孤独と猜疑にみちた権力の日々が、そして暗黒政治の実態が、当時宮廷に仕えた召使いたちの生々しい証言によって、赤裸にあばかれる。いま静かに上がる、エチオピア帝国崩壊のドラマの幕―。

えぞしまはこの本を、
神保町の澤口書店 厳松堂ビル店にて、定価は520円のところ1000円で購入しました。

値上がりしてるやんけ!と思ったのですが、
今買わないと今後ますます手に入りにくくなると思ったんです。
古書との出会いは一期一会…ピンときたら買うべし。
お金は後からいくらでも稼げますからね。


今のところ1000円前後で買えそうなので(2018年5月現在)、気になったら迷わず購入!
そうでない方は、近所の図書館へGO!



この本は、
皇帝ハイレ・セラシエが孤独と猜疑に満ちた中でも、
権力を誇示し、時に慈悲深く、
国民にとって常に尊い存在であろうとした、
哲人皇帝についての証言をまとめたものです。


皇帝の身辺を知る者、それは宮廷に出入りするような人物に限られます。
宮廷生活が長いせいか、言動がなにかと貴族的で、あまりはっきり話さない。
彼らの証言を集めるのは大変だったでしょう。


皇帝の独裁が維持されているとき、
エチオピア国民は「考えないほうが幸せになれる」という国民がいたようです。
たしかに、国民がのほほんと遊び暮らしていれば、施政者にとってこれほど好都合なことはない。
なので、独裁者はトラブルに厳しいです。喧嘩や騒乱は、すぐに鎮圧しようとします。のほほんとしていてほしいからです。


しかし、この高度なテクノロジーとネットの蔓延した社会で、考えずに生きるなんて不可能です。
考えずにいたら、騙されたり損したり、誰かを傷つけるような世の中になったんです。

エチオピアの革命が起こった頃は、ここまでネット社会ではありませんでしたが、遅かれ早かれ国民が考えるようになる時代が訪れていたでしょう。
現代では、何も知らずたたのほほんと生きることすら難しいんです。

そして、どうしても他人のアラや施政者の腐敗を目にしてしまう。
自分は真面目にやってるのに、ずるいじゃないか…。その小さなほころびが革命のきっかけです。
こうも世の中が便利だと、ほころびは見つけやすく広まりやすい。


思考停止してのんびり暮らせたらいいですけど、そのためには一人一人が品行方正であることが求められる。
結果やたら窮屈な生活になります。


どちらが幸せなのか、エチオピアの人たちは幸せになれたのか、答えは謎のまま。
当時のエチオピアの空気のようなものを感じられる本書は、現代の私たちにその答えを問いかけている気がします。