内容紹介

AIロボット犬との共同生活は波乱の毎日! 

ある日突然現れた謎の人工“超”知能ロボ、バドを自宅に引き取り、共に暮らすことになった相沢。だが、相沢のいない隙に娘のルナがバドを外に連れ出してしまい、さらにトラブルに巻き込まれ…!? 
さらに、将棋やダンスを覚えたり、新たな感情を獲得していくバドの変化も注目の、大人気日常系SF第2集!! 



相変わらず、奇天烈な(人間にとっては)言動をするバドですが、
2巻では人間らしい思想を少しずつ獲得していきます。


それは、「死」の概念。


データのバックアップさえ取っておけば、
ロボットに死はないはずですが、
身体を獲得したせいか、死を意識するようになりました。


同じタイミングで、レイチェル博士も機械が身体を獲得すれば、キャラクターに影響するのか?と考えています。



今のところ、AIはパソコンの中にいますので概念?みたいなものですが、
身体を獲得すれば、予想もしなかった学習をするかもしれないですね。


第2巻は、将棋が取り上げられています。
そこで登場するのが、プロ棋士を目指す大学生一ノ瀬アキラ
主人公相沢と一緒に働く一ノ瀬さんの甥です。


しかし、ここのところ伸び悩み……。


ラボのみんなとのランチでも、将棋が話題になっています。
そして、ここでもAIが出てくる。

AIの将棋が強すぎて、若い棋士たちはAIを使って戦法を研究しているとか…。
そのAIも、スマホで配信されているほど身近なもの。

こんなに将棋強いのならば、
人間が将棋を指す意味がわからなくなりそうです。

とそこに、為口が現れ…。

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(c)細野不二彦/「ビッグコミック」

こいつがまた因縁の相手なのだよ。


一ノ瀬さんと為口の因縁が明かされますが、
のちに相沢とも深く関わって来ます。



相沢が帰宅すると、
なんとバドも将棋をやっている笑
将棋を指していること自体も驚きですが、
話がずっとリンクしていることにも驚きですね。



バドはまだ機械学習の途中ということで、将棋はまだまだ弱いみたいです。
相沢に負けたことを指摘され、なんだかスネたような仕草を見せますが、実は全然違った。

バドが対戦していたのは、人間ではなくネット上の将棋ソフト。
ソフト同士が24時間将棋対決をして、データを学習。
人間が戦法を学ぶ、なんてもんじゃなくて、まったく異次元の学習方法でした。


AIともなると、学習の仕方も次元が違う。


機械学習がひと段落したところで、バドはオンラインで人間に勝負を挑みます。
その相手は…アキラ!



機械学習の効果はあったようで、バドは将棋がめちゃくちゃ強くなりました!
アキラはコテンパンにやられます。
そして、勝負の後で……。

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(c)細野不二彦/「ビッグコミック」

うおーっ、すごく機械っぽい合理的な質問!
アキラも驚いてますね。
アキラは、相手がバドとは知らない、というかAIであることすら知らないので、
とにかく人間離れしたプロ棋士だとしか思っていません。




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(c)細野不二彦/「ビッグコミック」

なぜバドが将棋に夢中になっているのかというと、
人間のふるまいを研究するため。
ここまで研究されたら、人間が将棋を指す意味を本当に見失ってしまいますね。


将棋だけではなく、
現在人間が担っているあらゆる労働は、AIが担うことになる。
その時、人間の存在意義ってどうなるのでしょうか。これは、早い段階で一人一人考えておきたいテーマですね。



アキラの憧れである白石名人は、
AIと人間と将棋について、ある程度答えを見出しているようです。
将棋を指しながら、アキラに説きます。


コンピューターの読み筋は複雑すぎて、その過程を人間は理解できない。
”答え”だけがわかっていても、そこにたどりつくまでの体力や筋力を養うことはできない。
私たちはいつも悪手や逡巡を積み重ねる。(中略)
そうして額に汗し、手探りして、
”詰め”へのルートを手繰り寄せていくから将棋はおもしろい。


将棋に夢中になれる、将棋の良さを誰よりも知っている。
だからこそ導き出せる、白石名人の見解。
一ノ瀬さんがアキラに語ったことと重なります。

アキラは緊張もあって負けてしまいますが、名人は去り際に、
「馬道先生(バドのこと)はとてつもなく強いよね」と言い残します。



なんと名人もバドと対戦していました!
将棋は人間と指すもの、と言っていましたが、将棋に関することなら興味が抑えられないんでしょうね。
とっくに機械の将棋を研究済みでした。



そして、第2巻ではもう一つの話が…。
それは因縁の相手である為口の娘エリカのこと。



ひょんなことから、エリカは相沢家にホームステイすることになります。


家庭は複雑、ホームステイまですることになり、ずっとやるせない表情のエリカでしたが、
バドを一目見たら見たことない明るい表情に!



最初はぎこちない様子のエリカでしたが、
バドが自分たちと同じようにダンスを練習しているのを見て、気持ちもほぐれます。



しかし、バドはエリカをめちゃくちゃ警戒しています。
一応、その理由はデータに基づいてはいますが…。



相沢は全く取り合いませんが、
バドの読み通り、エリカは母親に唆されてスパイ行為を働いていました。
相沢は、バドが入手した映像や音声を見せられて悩みます。

エリカもやりたくてやったわけじゃない。
事情を察した相沢は、とりあえずエリカの処分を保留にすることに。
うちで預かっている間は、実の娘のように扱おうと決心します。

家族にもエリカのことは秘密にして、誕生日パーティーを開くことに。


始終複雑な表情のエリカ。
やはり自分のしたことに気が咎めているんでしょう。
良心の呵責に耐えられず、泣き出すエリカ。
戸惑う家族ですが、相沢は事情を悟っているので、何も聞かないでおこうと提案します。



と、AIもSFも忘れかけそうなハートフルドラマが展開されている横で、
バドは疎外感を獲得しました。



これも、バドが概念のような存在であれば感じなかったかもしれません。
身体があり、物理的な距離感やコミュニケーションの距離感によって生まれたもの。
やはり、身体がキャラクターに与える影響は大きいです。



今回は、
AIが登場したら、人間はどうなるのか?
人間同士の関係に、AIはどんな役割を果たすのか?
といった、AIを語る上では欠かせないテーマが出て来ましたね。
ある意味、AIを考える入り口になるようなものと言うのか。


AIに対して、恐怖や不信感などマイナスイメージを抱えている人ほど考えて欲しいテーマです。


さて、今回も後が気になる終わりでした。
相沢の胃がんはどうなってしまうのか…。
バドは次に何を獲得するのか?期待大です。