内容(「BOOK」データベースより)

箱根の山は天下の嶮か、ケンカのケンか?―足刈にある二軒の老舗旅館、玉屋と若松屋は先祖代々の犬猿の仲だ。だが若松屋の娘、明日子と玉屋の若番頭、乙夫は反発しながらも内心惹かれあっていた。いがみあう旅館、勃発する跡継ぎ問題、親から紹介された見合い相手、旅館の経営不振と大事故、乗り込んでくる都会の大資本…二人の恋の行方と箱根の未来はどうなる?


ごきげんよう、えぞしまです。


今回は獅子文六をお送りします。


「ヴィクトリア朝イギリスのことが知りたきゃ、ディケンズを読め!」と言われますが、
「昭和の日本を知りたきゃ、獅子文六を読め!」とも言えます。


リアルも何も、当時のままを書いてますからね笑

なので、レトロな雰囲気が好き!古典とまでは言わないけれど、少し古い小説で堅苦しくなくて、気の利いたのが読みたい!という人に、獅子文六はぴったりです。

中身ももちろん面白いこと間違いなしです。
現代のドラマや映画になっても、充分通用します。




今回は箱根が舞台。


箱根にある2つの老舗旅館の因縁対決が軸になり、
箱根の覇権を目論む鉄道会社や、それにあやかろうとする政治家たち、あらゆる人が箱根を舞台にてんやわんや。

それに翻弄される、旅館の従業員たち。
中でも、玉屋の番頭乙夫と、若松屋の令嬢明日子の関係は見逃せません。

獅子文六に登場する乙女たちは、
悦っちゃんもそうですが、一筋縄ではいかない人が多いですね。
ああ言えばこう言う、気が強くて負けない。物怖じなんか、絶対しない。

明日子もそんな乙女です。

玉屋のおかみさん お里婆さんもそんな人ですよね。
昔からそうなのかはわかりませんが、とにかく達者で物怖じしない人。獅子文六乙女です。


乙夫は、ドイツ人とのハーフということもあり、体格が良くて、しかも勉強熱心で賢い。
忠義心に厚く、その辺の大学生よりずっと立派です。

明日子にタジタジするかな?と思いきや、
何か言われても毅然とした態度は崩しません。
明日子は明日子で、また強気なわけですが。




二人の将来、見てみたかったなぁ〜。




とりあえず、箱根戦争はしばらく続きそうです。