ごきげんよう、えぞしまです。



いろいろと話題になっていた、
『パブリック 図書館の奇跡』を、
映画館で観てきました!







もちろん、
マスクを付けて消毒して、
厳戒態勢で観に行きましたよ~。



この映画、
図書館が舞台になっているということで、
図書館関係者は特に注目していたと思うんですが、
関係者でなくても楽しめる映画でした。


先日はYoutubeで、
トークイベントも開催されました。
そのときのメモはこちらになります。
(ネタバレはないので、ご安心を)







このトークイベントも豪華だったな。
思わずざわめいたからね。




この映画は、アメリカ・シンシナティの公共図書館が舞台。
アメリカでの図書館の使われ方は、
日本でのそれとは違うみたい。
本当にさまざまな人達が、
図書館で調べ物をしたり、本を読んだりして過ごしています。


「初代大統領の『カラー』写真を探しているの」
「原寸大の地球儀はある?」
「この前借りた本を探しているんだけど。青い表紙だった」


図書館員に寄せられる質問もさまざま。
それを次々とさばいていく、公共図書館の司書たち。


中には全裸になって歌いだしてしまう人もいます。
図書館には、本当に色んな人が来る…。


利用者は、調べ物をする人ばかりではありません。
例えばホームレスのような人たちも、
図書館でのひとときを過ごしています。


図書館のトイレで身繕いをするホームレスたち。
彼らの会話に自然に入っていくのが、
この作品の主人公、司書のスチュアートです。



ある日、
シンシナティをとてつもない大寒波が襲います。


行き場のないホームレスにとって、
これ以上ない過酷な状況です。


そうはいっても閉館時間。
スチュアートは利用者に閉館を告げ、館内を回っていると、
常連のホームレスに声をかけられます。


「今夜は帰らない。ここを占拠する」


行き場をなくしたホームレスたちは、
大寒波を凌ぐ場所を探して、
図書館に集まったのです。


本来ならば、
図書館にはシェルター機能はないので、
追い出さなければならないのですが…。

スチュアートはホームレスと一緒になって、
図書館に立てこもることを決意します。



ホームレスたちの行動は、
決して乱暴なものではありません。
ただ、ここにいさせてほしい。ただそれだけです。


しかし、
その状況をよく思わない人たちが、
スチュアートを暴動の犯人に仕立て上げようとします。


これはあくまでも、
平和的なデモなんだ。


それを市民に知らせるために、
スチュアートたちは思い切った行動をとります。





と、こんな感じの映画です。





エンターテイメントとしても優れているので、
図書館になじみのない人でも楽しめますが、
図書館関係者は思わず「くすっ」となるような、
図書館あるあるも満載です。


また、
社会的に立場の弱い人、BLMや平和的なデモ、
「公共とは何か?」みたいなことがテーマになっているので、
映画を観終わったあとにみんなで語り合いたくなるような、
そんな内容の映画でもあります。


今は一緒に映画を見るとか、
そのあとお茶をしながら歓談するなんてことが難しい世の中だけど、
Zoomなんかを使ってやれないのかなぁとも思います。



興味のある方、
ぜひご覧になってください。





このあとは、
私のネタバレいっぱいの感想になりますので、
ぜひ映画をみて記事の続きを読んでもらえたらと思います。








先日行われたトークイベントで、
登壇者に4つの質問がされたのですが、
私も簡単に考えてみようと思います。




Q図書館って何だっけ?

シンシナティの公共図書館で、
司書として働くスチュアート。
実はかつて自身も浮浪者だったことがあり、
図書館に居場所を見つけて、
そこから猛勉強して学位を取り、司書になった、
という経緯が明かされます。


アメリカの司書というのはなかなかのポストなので、
相当頑張ったんじゃないでしょうか。


そんな彼は、
「本は命の恩人だ」と言います。


私も同様に感じていて、
もし本を読む習慣がなかったら、
私は人間じゃなかったと思います。
本が私を人間にしてくれたんです。


図書館は勉強する場所、調べ物をする場所。
イベントに参加して交流を深める場所。
であると同時に、
何もしないで過ごしてもいい場所でもあります。


退職して家にも居場所がない人が、
ふらふらと図書館にやってくる。
それは図書館が自分を人間にしてくれるからかも…
と思うのです。


だから、
「図書館は私を人間にしてくれる場所」ということになるかな。





Q社会的に弱い立場の人、ホームレスについて

私は大学図書館勤務経験しかないので、
作中のようにホームレスの方の対応をしたことはありません。


私が学生時代に、図書館学課程を受講していたとき、
「図書館員は中立・公平でなくてはならない」と教わりました。

スーパースターが来ようが、ホームレスが来ようが、
同じように接する必要があるってことです。


社会的に弱い立場の人と接するとき、
なんとなく「人間」ではなく「現象」みたいなものと捉えがち…じゃない?
伝わるかな???


「現象」だと思ってしまうから、
スーパースターとホームレスとその他大勢で、
対応を変えてしまうんです。


やっぱり「人間」として接する必要があるよね。
だって、図書館は「人間」にしてくれる場所なんだから。



一度「現象」と捉えてしまうと、
めんどうだな~と感じて、
対話を避けてしまうことに繋がると思うのです。

相手は人間だから、
アタックしてもいいのです。

ただ、トークイベントで取り上げられていたような、
「コミュニケーションが取りにくい人」というのは、
なかなか対処が難しいかもしれない。
挨拶しても、返してくれないとかね。


でも、「まぁそういう人なのかな~」
みたいに流してもいいと思うんだよね。
距離感も、ほどほどに。


トークイベントに登壇されていた、
喫茶ランドリーの田中さんの意見に近いかもしれない。




Qパブリックとは?

これは難しいから、
あまりまとまりのない感じになると思うけど。


パブリックってみんなで作るもので、
しかも一度作ったら終わりじゃなくて、
ずっと良くしていかなくちゃいけないもの。


次世代のことも考えなくちゃいけないし、
壮大な駅伝に参加させられているみたい。

こんなしんどいこと嫌だけど、
もうやるしかない。


なんでこんなことやるのかというと、
公共を作ったほうが、みんな過ごしやすくなるから。

怠け者でもクズ野郎でも、
存在していい世界になるから。


でも、色んな人がいるし、
利益が対立することがある。


その時は「一緒に考えよう」って、
お互い言い合える世の中。それが公共。




Q全体を通して映画の感想など

スチュアートはホームレスを脱したわけだけど、
ホームレスは「気楽だしこのままの生活でもいい」
なんて言っているシーンがあります。


私は図書館に来た人が、
何か成長してくれたら嬉しいな、と思うけれど、
「ただここで過ごしていたいだけ」という人もいるわけです。

だから、
「よりよくなってほしい」なんて考えるのは、
図書館員の傲慢だったのかもしれないな~。




ところで、トークイベントにもあったけれど、
もし日本が舞台だったらどうなっていたのかな?

スチュアートみたいな「ある程度裁量を持つ職員」が、
全くいない図書館だって、日本にはたくさんあります。

図書館の使い方も、
アメリカとは随分違うみたい。

日本でも図書館が舞台の映画とか、できないかな~。




とりあえず、
作中にあった「本は命の恩人」という言葉が、
ものすごく気に入ったので、これから使っていこうかな。

「図書館が人間にしてくれた」っていうことにも気づけたし、
やっぱりこの映画、いい映画だね。