ごきげんよう、えぞしまです。


先日、
『僕はかぐや姫』の感想を書いたところ、
多くの方に記事を読んでいただいております。

そこで、
他の松村栄子作品を読んでみようと思い、
『雨にも負けず粗茶一服』と『風にも負けず粗茶一服』を、
立て続けに読んでしまいました。
面白くてとまらないんだもん。


茶ごころたっぷりの家元Jr.青春ストーリー『雨にもまけず粗茶一服』


そして、
著者に茶道小説を書かせるまでに、
茶人の世界へと引きずり込ませた、
茶道エッセイがこちらです。




『僕はかぐや姫』を読むと、
松村栄子ってちょっと理屈っぽくて、
でもめちゃくちゃ繊細でコミュニケーションが大変そうな、
そんな(酷い)印象を受けてしまいます。

このエッセイに出てくる著者は、
『僕はかぐや姫』の雰囲気ではないです笑
全然違う。こんな面白い人だったんだ。

京都に引っ越した著者は、
とある茶会に参加することになります。

京都や大阪は、
そこかしこで能や茶会が開かれていて、
誰でもその場で参加できたりします。

茶道なんて全く知らなかったけれど、
茶会に参加してみたら……。
そこで、恥をかいてしまうわけ。

これじゃいかんと思い立ち、
著者は茶道の世界に足を踏み入れます。


著者が茶道に持っているイメージは、
「スノッブ」「高級趣味」
「お嬢様のお稽古ごと」
とにかく、いけ好かない感じ。
(あ、なんかこれは『僕はかぐや姫』の裕生っぽい)

茶人ってのは、
茶碗ひとつでやいのやいのと盛り上がれるし、
灰の色やお茶を掬ったときの形だとか、
そんな「どうでもいいもの」を眺めて、
「風情がある」とか何とかと騒げる、
大変おめでたい人たちなのです。

そんな姿に呆れつつも、
茶人たちの感性の豊かさや気遣い方、
お茶を通して生き生きとしている姿を見て、
著者も考えが変わっていきます。

時々、
「茶人ってのは酔狂な人たち!」という、
呆れもありつつ…。
茶道の世界にどっぷり浸かり、
茶人の道をまっしぐらに行くのです。


ある程度お稽古を積んで、
基本的なことさえ押さえれば、
あとは工夫して茶会を催すこともできます。

茶会を催すって、
茶碗から茶杓から、小道具一式考えないといけないし、
掛け軸にお花、お菓子、お料理まで、
あれこれ準備しなくちゃいけない。
すごく大変なのです。

本格的なお茶事はなかなかないにせよ、
茶人友だちを招いて、
とてもカジュアルなお茶会を開く、なんてのは、
とても楽しそうです。


最初は入るのに勇気のいる茶道の世界を、
『僕はかぐや姫』のときのような鋭い視線と、
『粗茶一服』シリーズのおちゃらけムードで、
紹介してくれる素敵なエッセイです。


コーヒー飲みながら読書もいいけど、
抹茶と上菓子をお供にしてもいいですね。
きっと飲みたくなるから。