ごきげんよう、えぞしまです。


なんと本日(5月8日)は、
澁澤龍彦の誕生日なのです!!!

令和最初の一冊として澁澤龍彦を読んでいたので、
ちょうどいいのでご紹介。
ちなみに初めての澁澤です。



貞観七年。
平城帝の皇太子である高丘親王は、
唐を経由して天竺へ旅立とうとします。

というのも、
父の寵妃であった藤原薬子が、
幼少期の親王に、天竺への夢を語っていたから。

この薬子という人がとても不思議な人で、
親王は惹きつけられてしまいます。

その記憶が頭から離れない親王は、
2人の僧侶、安展と円覚とともに天竺を目指します。


道中、真臘(カンボジャ)や盤盤など、
いくつもの国を通って行きます。
見たこともない動植物や、
奇怪な風習を持つ人びとなど、
エキゾチックな南国は夢のようなものがたくさん。

親王は夢を見るのが得意で、
旅の途中、いくつもの夢を見ます。

夢なのか、現実なのか。

熱帯の空気は、
読者をとろんと惑わせてきます。


次々と夢のようなこと、
あるいは夢のできごとが起こるので、
なんだか『不思議の国のアリス』みたい。

親王inワンダーランド。

ナンセンスの連続。
メタ発言もあり。

でも妙な魅力がある。
それがこの物語の魅力。


この妙な魅力というのが、
なんだか薬子を思わせる。
ナンセンスなんだけど、抗えない魅力もある。

それ以上に、
親王にも魅力がある。
お供の僧侶は、
部下だし皇族相手だから丁寧なのもあるけど、
親王に魅了されているというのが大きいと思う。
秋丸や春丸も。


わけのわからないことが起こって、
なんだか疲れる話なんだけど、
なぜか読み進めてしまうという、
そんな蠱惑的ものを、
薬子や親王、物語全体に感じますね。


うーん、
これが澁澤龍彦か。


こうして人は澁澤沼にハマっていくのだな。