ごきげんよう、えぞしまです。


日々、情報の洪水の中で、
もがくように泳ぐ私たち。

時にはデマをつかみ、
惨めな思いをすることもあります。

フリーランスの司書として、
私は多くの人に「情報」をうまく扱ってほしい、
情報の海を泳いでほしい、と思っています。


さて、
今回読んだのはこちらの本。
情報リテラシー教育の教材にもぴったり。



記者が語るフェイクニュース

著書は、元新聞記者。
それからネットニュースの記者に転身。
まさに、情報の海を泳いできた方です。

そんな著書がこの本で警鐘を鳴らすのは、
最近よく聞くようになったフェイクニュースと呼ばれるもの。

いやいや、
デマは昔からありましたよ?

しかし、
インターネットの出現により、
フェイクニュースは笑えないくらい拡散されるようになってしまいました。
それも、長期間。

この本で、
フェイクニュースがどれだけの損害を与えているか、
著書は多くのページを割いて訴えています。


フェイクニュースは人を殺す

デマに騙された人がいたら、
「あはは、バカだなぁ」
で済むでしょうか?

虚構新聞にマジレスしてる人なんか見ると、
みんなでバカにして笑うと思います。

フェイクニュースって、
そんなおバカをあぶり出して、
それを笑うというような、
何だか意地悪でのんきなイメージ。

しかし、
フェイクニュースってバカにできない。

例えば、
アメリカではフェイクニュースにすっかり騙されて、
子どもたちを助けようとライフルを持って、
ピザショップに男性が乗り込んだ……という、
「ピザゲート事件」と呼ばれる出来事が発生しています。

下手したら、
あらぬ疑いをかけられた無実の人が、
ライフルで撃たれていたかもしれません。

また、
メキシコのアカトランという町では、
子どもを誘拐したという疑いをSNS上でかけられて、
なんと火をつけられ殺されてしまった人もいます。
もちろん、真っ赤な嘘。

インターネットがなかった日本でも、
関東大震災のときにデマが広がり、
無用な不安を生み、罪のない人たちが殺されています。

フェイクニュースは人をバカにするおもちゃじゃないのです。
人の財産や生命に損害を与えることもあるのですから。


「根拠のない記事」にご用心

日本でも、
医療系の記事を集めたWELQというサイトが、
コピペをしまくった根拠のない記事を載せていた…
ということで、問題になりました。

医療系の記事ですから、
体の不調に悩んでその記事を読んでいるはず。

それなのに、
全く根拠のない記事を読んで、
それが逆効果になってしまったら、
大変なことです。

もちろん、
冷静になって記事を読んだら、
「あれ?」と気づくはずですが…。

体が不調で焦っている時に、
そこまでできるのか…。


こういったキュレーションサイトが生まれた背景には、
検索エンジンのしくみが関係していました。

私たちは気軽に検索エンジンを使っていますが、
なぜ検索結果の上位にこの記事が表示されるのか、
説明できる人は少ないと思います。

「とにかくググればいい」
なんて考えは通用しません。

なぜこの結果が出てきたのか。
それを知った上で検索エンジンを使いたいものです。



情報の液状化

著者は、
「複雑化なんて表現では生ぬるい。情報とメディアは液状化を起こしているといっても、言い過ぎではないと思います」
と書いています。

今日見たニュースは、
テレビ?ラジオ?
それともLINEニュース?
Twitterか、Yahoo!か。

ニュースが私たちの手元に届くまでの経路も、
ものすごく複雑になっています。

しかし基本は、
「このニュースはどこから来たの?」
という素朴な問いかけです。

ちょっと昔のネットなら、
「その情報、ソースは?」
なんて聞くひとが結構いましたが、
まさにそんな感じです。



んで、
ここからが大事なんですけど。

著者は、
ネットだけに頼らず、
紙媒体も使うように、とアドバイスしています。

紙媒体から適切な情報を得られる場所…
そう、図書館ですよ!!!

みなさん、
もっと図書館活用しましょうよ〜。

情報の海を泳いでいくためには、
図書館は本当に、いい場所なのに。

フェイクニュースに溺れず、
自分の道を見失わないように、
日々司書は考えているのです。