ごきげんよう、えぞしまです。



最近話題の書籍を読んでみました。
これが良書なんですよ〜。

この本、
たぶん本屋さんだとビジネス書のコーナーにあると思うのですが、
これは日々「情報」を取り扱う図書館員にもぜひ読んでもらいたいですね。



チンパンジーに負けるエリート

冒頭に、
世界の事実にまつわるクイズが載っています。

著者はこのクイズを、
医学部の学生や一流投資会社で働くビジネスマンなど、
世界中のあらゆるエリートに解答してもらっています。

日々新鮮な情報を武器に、
活躍するエリートたち。
クイズの正解率も高そうですが…。


例えば、こんな問題。


世界の1歳児で、なんらかの予防接種を受けている子供はどのくらいいる?
A 20%
B 50%
C 80%



A、B、Cのいずれかが書かれた大量のバナナを用意して、
チンパンジーのいる囲いの中に放り込み、
囲いの外からクイズの問題を大声で読み上げて、
チンパンジーにバナナを選んでもらいます。
バナナに書かれた文字がチンパンジーの答えとしましょう。
理屈では、チンパンジーの正解率は33%に近くなるはずです。

ところが予防接種の問題は、正解率は平均でわずか13%です。
チンパンジーですら33%なのに!!!


どうも私たちは、
データを調べればわかることなのに、
悲観的なニュースや思い込みにひっぱられて、
とんでもない勘違いをすることがあるようです。


この「チンパンジーに負けている」というのは、
新しい煽り文句として定着しそうですよね。

よく、
「どの株を買うか猿にダーツで決めさせたら、投資家よりも成績が良かった」
という話を聞きますけど…。

いいコンテンツには、
つい反応したくなるフックがありますな。



世界は少しずつ良くなっている

ニュースを見ると、
世界中のあちこちで誰かが戦争しているような気がします。

そういった国だと、
病院も学校もなく、
水道も電気もなく、
とにかく悲惨な暮らしをしているような気がしてきます。

けれど、
そういう極めて低レベルな暮らしをしている人は、
世界的には減っているのです。

日本だって、
ちょっと前は食べるものもないくらいでしたが、
今はすっかり経済成長しています。

そう、
経済は成長する!!!

今は低所得だけれど、
やがて中所得国になる。
さらに時間をかけて高所得の国になる。

日本人は東南アジアやアフリカを、
低所得の国と見下す悪い癖があります。

もう中国も韓国も、
日本を追い越していくのは時間の問題というところですし、
東南アジアもアフリカもどんどん成長していきます。

「あの人たちには無理でしょ」なんて言っている人、
データを見れば自分の過ちに気づけるはずです。


ファクトに気づけないのにはパターンがある

世界をまたにかけて活躍するエリートですら、
世界の事実に気づかず、思い込みにひっぱられてしまう。

その原因には、
パターンがあります。

私たちがどんなときに「情報」を見誤るか、
そのパターンを一つ一つ解説しています。

今、
世界にはたくさんのフェイクニュースが飛び交っています。

冷静になって調べれば、
フェイクニュースであることには気づけそうなものですが……。

人は同じ過ちを何度も繰り返してしまう。

ただ騙されるだけならまだしも、
人はフェイクニュースで、
生命や財産に損害を与えることもありますからね。

必要以上に恐れ、
本当に必要なことは調べない。

著者は、
フェイクニュースがはびこる世の中を、
憂いていたんだろうな…と思います。


このロクでもない世界が良くなることを祈る

フェイクニュースにコロリと騙され、
数年前の情報を未だに信じ込み、
世界は少しずつ悪くなっている!と恐る人たち。

そんな人たちが世に溢れているなんて、
この世は本当にロクでもありません。

しかし、
データを見れば世の中は少しずつ良くなっている。

電気がしかれて便利になる、
学校に通えて教育を受けられる、
病院が近所にあり予防接種を受けられる…。

少し前までは、
それはとてもぜいたくなこと。

今は、
そんな贅沢が少しずつ「当たり前」になってきています。

現在、
低所得の国が中所得国に、
中所得国が高所得国になれば、
ますます便利な暮らしを享受できる人が増え、
世の中をもっとよくできる知恵が誕生するかもしれません。

ビジネスや投資なども、
どんどんチャンスが増えてくるでしょう。

今は、
情報リテラシーが低い人が多いかもしれない。

けれど、
そのうち情報を扱うのに慣れて、
情報リテラシーの教育もきちんと受けられて、
あらゆる人がファクトフルネスに近づけるかもしれない。

そんな世の中になることを祈りつつ、
この本をあなたに勧めたいと思います。