ごきげんよう、えぞしまです。



実はわたくし、「お嬢様」というものを研究しております。



お嬢様にはどうやったらなれるのか?

お金はやはり必要なのか?

必要ならば、どのくらい必要なのか?

お金も家柄もないときは、どうすればなれるのか?

そもそも、努力してもなれないのか…?



良い家柄のお金持ちには今からはなれなくても、
心だけでも優雅に暮らしたいので、
私はお嬢様の研究をしています。


そのヒントになりそうな1冊がこちらです。


貴婦人の知的条件
今田 美奈子
講談社
1992-09-28


お嬢様はいつか貴婦人になる。
その貴婦人への道筋を、自身の経験も踏まえて書かれたものです。


ところで、
著者・今田美奈子とは何者なのか?



本当は、
お菓子の研究家として活躍されています。
そして、ティーサロンも経営されている実業家の一面もあります。


私が知ったのはこの本です。

お姫さま養成講座
今田 美奈子
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2011-10-16


こちらはマンガを交えて、
お姫様なら当然身につけているはずのマナーを、
コミカルにかつシリアスに描いた1冊です。

いわゆるマナー本と違うのは、
あくまでお城に住むお姫様のマナーだということ。


ドレスを着てお辞儀をするやり方なんて、
マナーのセミナーじゃ教わらないでしょう?

「お姫様は走ったりしない。走ることは動物のすること」なんて、
最近のマナー講師が言うと思いますか?


いわゆる「失礼クリエイター」のマナーではなく、
著者がフランスのロワール地方にあるロゼール城を運営して、
身をもって学んだマナーを紹介してくれています。

この記事でとりあげる『貴婦人の知的条件』は、
マンガは一切なし!
マンガは苦手、少し真面目な気持ちで取り組もうかな、
なんて人にはこちらのほうがオススメです。


まず最初に、
貴婦人はお金を使って、一朝一夕でなれるのものではないということ。

その気品には、
多くの教養と美意識がつまっているのです。

読書に絵画、お菓子にワイン。
家に置く家具、いつも生けてあるお花たち。
身の回りのことからでもいいので、
丁寧に暮らすことから始めます。



いちおう、マナー教室のような項目もございます笑
挨拶をするときは、誰から先に紹介するのか、
握手をするときは、どちらから先に手を出すのか、
細かく決まりがあります。

ヴィスコンティ監督の映画『山猫』で、
市長に握手を求められ、手を差し出されるけれど、
頑なに手を出さず、後ろで組んでニコリともしない公爵…というシーンがあります。

あれは変わりゆく(しかも悪い方に)貴族に対して、
これから伸びていきそうな「市民」というものが、
公爵にとってはつまらないものだったのか、
つい冷ややかにみてしまうものだったのか…などと、
つい小難しく考えてしまいましたが。

なんてことはない、
握手というのは目上の人から手を差し出すものなのです。
公爵にとって、相手から手を差し出されるなんてことはありえないわけです。

あ、
女性相手なら別ですよ。
握手は女性から手を出すものなので。
男性からノコノコ手を出してきたら、気持ち悪いもんね。


堅苦しいマナーは、
最初の挨拶の項目くらいでしょうか。
その後、お食事でのマナーの話が続きます。

お食事の席でのお粗相は、絶対に避けたいところ。
なんと言っても、普段の人となりが出てしまいます。

しかしこの本の良いところは、
「~してはいけない」という、
べからず集になっていないところ。

このようにすると上品でスマートですよ、というアドバイスはありますが、
それと一緒に、ロゼール城で開かれたパーティーでのエピソードや、
うっとりするような演出も紹介してくれています。

だから、退屈しないの。

ルールを羅列されていても、
六法全書を読むようなもので、意味がないから。

本当のお城で行われたマナーがセットになることで、
ルールブックは自分の実感となり、身にまとうことができるのです。


そして、
ワインとお菓子。

これは、貴婦人なら必ず知っておかなくてはならないもの。

特に、お菓子については、
自分で作れるようにならなければならない……!

わたしは酒飲みで、ワインは飲めれば良い、
お菓子はそもそもあまり食べない、
作るなんてもってのほか…という感じだから、
貴婦人と言うより、女盗賊に近いかも!



少し失敗しただけで、
キリキリと怒るマナー講師のセミナーで、
びくびくしながらマナーを身につけるより、
こういった本を読むほうがよっぽどためになります。

「どうしてこのマナーが生まれたのか」
「どうしてこうするとスマートなのか」
そういった気配りの「裏」を丁寧に、上品に説明することで、
私達を貴婦人に近づけてくれるのです。


まだまだ盗賊みたいな私だけど、
少しでも優雅に暮らしたいので、
もう少し、貴婦人を目指して頑張ってみます。