ごきげんよう、えぞしまです。



大人気ファンタジー『十二国記』シリーズの、
最新刊が2019年に刊行されるということで、
「十二国記マラソン」と称してシリーズを読み返すということをやっています。
ひとりで。



今回は、
外伝的な性格を持ちながら、
シリーズ最初に刊行された、
十二国記のエピソード0『魔性の子』の感想です。






十二国記を読む前に『魔性の子』を読むか、
読み終わってから読むか…は非常に悩むところ。

最初に読めば刊行当時の読者の戸惑いがわかるし、
後に読めば泰麒のエピソードが補完できる、という感じ。

ちなみに、
えぞしまは後に読みました。
だから、何も知らずに『魔性の子』を読んだ人が羨ましいんです。

十二国記世界を知らない状態で読んだら、
どんなに不気味だったんだろう?
どんなに不思議だったんだろう?
どれだけわけがわからなかったんだろう?


それはもう一生経験できないんです。


だから!
今からじっくり十二国記を楽しむぞ〜という人は、
『魔性の子』から入るのがオススメです。



こちらは、
とある高校に教育実習生としてやってきた、
広瀬の視点で話が進みます。

(したがって、十二国記の前にこれを読むと、
広瀬の追体験ができるってわけ)


広瀬は、
子どものころ神隠しにあったという、
クラスの中でも浮いた存在の、
高里要が気になります。

高里は、
「下手に関わると祟る」と恐れられていて、
いじめた子が怪我したり、事故にあったり、
死亡者まで出ているほどなのです。

暴力を振るわれているわけでも、
罵倒されているわけでもなくて、
クラスメイトからひたすら恐れられている。
だから、クラスに馴染めないでいるのです。


今となっては、
「それ麒麟だからだよ!」
「使令がおこってるの!」
「そもそもこっちの人じゃないんだって…」
と言いたくなりますが、
広瀬たちにわかるはずもない。

そして広瀬もまた、
この世界に馴染めない自分を感じていました。

広瀬も胎果だという可能性はあるけれど、
世の中に馴染めなくて、
この世ではない別の世界を空想する輩は、
いつでもいるようです。

(それが、
いわゆるキャンディボーイ向けの、
「何もしてないけどチヤホヤされる」、
ファンタジーライトノベルの需要につながっていくのでしょう。)


なので、
広瀬は高里と馴染むようになりました。


しかし、
高里の祟りはどんどんエスカレート。
クラスメイトがどんどん死んでしまいます。

あげくのはてに、
両親と弟まで死んでしまいます。

追い討ちをかけるように、
学校も倒壊。
ものすごい被害を出してしまいます。


「自分がいると迷惑になる」ということが何となくわかっている高里。
そして、「帰らなきゃ」と思っている。
しかし帰る場所も、その目的も、
高里は全て失ったままでした。


失ったものを何とか思い出そうとする高里。
そして、
ここではない世界を思い描く広瀬。


広瀬〜違うんだって〜!
高里は麒麟なんだよォ〜ッ!!!


広瀬が高里に共鳴し、
彼に課せられたものを理解しようとするけれど、
次から次と犠牲者は出てくる。

広瀬は、
高里の失われた記憶を探るべく、
判明したキーワードをぶつけていきます。


そして、
高里は唐突に、
戴のことを思い出す。


そこからは、
私たちのよく知っている、十二国記の世界となります。



最後、広瀬はどうなったんでしょうね。
「最後まで1名だけリストに名前が残った」というのは、
無論高里のことでしょう。

果たして広瀬は助かったのか?
ひょっとして十二国記最新作に登場するのかな???

十二国記を読んでから読んだとしても、
謎が謎を生む展開になります。



『魔性の子』のカラクリが明かされるのは、
『風の海迷宮の空』あるいは、
『黄昏の岸暁の天』となります。
つまり、刊行後何年も経たないと、
この作品の意味はわからないのです。
 

この刊行スケジュールも含めて、
十二国記は壮大なファンタジーといえるのだ!


というわけで、
外伝的な性格が強いものの、
『十二国記』のビッグウェーブに乗るには、
『魔性の子』からのスタートが一番よいです。