ごきげんよう、えぞしまです。





この記事は、
を踏まえて書いてみました。



学術雑誌の世界って、
関係ない人にとっては全然わけわからん世界だと思うのですが、
実は研究発展のための重要な世界なのです。

アカデミックなものに興味がない人にとっては、
どうでもよいテーマかも知れませんが…。


今後の図書館がどうなるかも含め、
考えてみたいと思います。





学術雑誌は今こんな感じ

大学の先生方は、
学生に講義をする傍ら、ご自分の専門分野の研究もしています。


研究者たちの研究成果は、
通常学会が発行している学術雑誌に掲載されて、
世にお披露目となります。


学術雑誌に掲載されることで、
研究者たちの業績となります。
ですから、みなさん必死で研究し、論文を書きます。


昔は紙の冊子で発行されていた学術雑誌は、
最近では紙での発行をやめて、電子ジャーナルとして発行されることも増えました。

紙の冊子はどんどん増えていくし、
保存が大変ですからね~。


ところが、
この学術雑誌の購読料、
どんどん上がってきているのです。




一体、なぜ…。





その理由として、
学術出版社は寡占状態にあることが挙げられます。


よく聞くのは、エルゼビア。
それかワイリー、シュプリンガー。



学術出版社で山手線ゲームをやったら、
一瞬で終わるレベル。

いや、他にもほそぼそとやっている会社もあるんでしょうけど、
よくわかんないところに投稿なんかしたくないですよ。

投稿料をたんまりもらって、
実態のよくわからないハゲタカジャーナルもあるし。


巷の大学図書館は、
とにかく予算を何とか確保して、
ジャーナルを契約します。

論文が読めないと、
研究が進められないですからね。


すると、また購読料が上がる。


予算を確保できない大学は、
契約を打ち切る。


そうなると市場の原理で、
価格が下がるはずなのだが、
なぜかまた購読料が上がる…。


以下ループ…。


ちなみに、この現象のことを、
シリアルズクライシスといいます。

シリアルってコーンフレークじゃないよ。
雑誌(Serials。つまり学術雑誌Journal+一般雑誌Magazine)
ってことだよ。


これが、
ざっくりとした学術雑誌の世界です。
お金の話しかしてないけど。



Sci-Hubって何?

そんな殺伐とした学術雑誌の世界に、
Sci-Hubは爆誕しました。


Sci-Hubは、有料の学術論文が多数掲載されているWebサイトで、
あらゆる分野の論文を全文無料で読むことができます。


そう、
それはつまり違法の海賊サイト!


有料論文がもりもりに掲載されていますので、
学術出版社は商売上がったりなのです。


しかし、
このサイトめちゃくちゃ便利で、
有料論文も各機関リポジトリに上がった論文も、
ぜーんぶひっくるめて検索&入手できてしまうのです。


しかも、
無 料☆ですよ!


無料で便利なんて、
無敵ですよ。


Sci-Hubは海賊サイトなのか。
はたまた革命的な学術情報サービスなのか。


今の私たちには、
知る由も無い…。



アレクサンドラ・エルバキアンって誰?

その画期的な海賊サイトを作ったのは、
カザフスタンの研究者である、
アレクサンドラ・エルバキアンという人です。


彼女がカザフスタンで大学院生だったとき、
研究プロジェクトを進めるため、
多くの論文を読もうとしていました。


しかし、
論文を読むためには、
ものすごくお金がかかります。

研究費がいくらあっても足りないし、
大学の予算が足りなくて、
泣く泣く契約を切ったジャーナルだってあります。




これは、
カザフスタンだから起こったことではありません。


日本だって、
予算が足りなくて電子ジャーナルをバシバシ解約しています。


ハーバード大学だって、
ジャーナルの契約料高騰に苦しんでいます。




論文にアクセスできないんじゃ研究になりません。



誰もが自由にアクセスできる、
論文掲載サイトが必要だ…!!!



そこで、
エルバキアンは3日間で、
Sci-Hubを開発したのです。



大手出版社はどうしているの?

ここに文章を入力。もちろん
激おこですよー!


例えば、
泣く子も黙る学術出版社のエルゼビアは、
Sci-Hubの著作権侵害を訴えています。


そして、
Sci-Hubのドメインの削除に成功します。


けれど、
ドメインなんてまた新しく簡単に取得できるんですよね。

なので、いたちごっこ。



さらに、
インターネットサービスプロバイダの会社に、
Sci-Hubへのブロッキングを訴えます。


ところが、
インターネットサービスプロバイダの会社の中には、
その訴えを快く思わない会社もありました。


Sci-Hubは違法の海賊サイトですが、
正直なところ、義賊だと思っている人も多いようですね。



研究者の中には、
購読料をシレッと上げてくる大手学術出版社に対し、
論文投稿を拒否する人もいるようです。


そもそも、
論文を書いたのは研究者なのに、
私腹を肥やしているのは出版社じゃないか!
という批判もあるんです。


テクノロジーのアップデートに、
著作権が追いついていないように見えますね。



今後Sci-Hubはどうなる?

Sci-Hubは違法のサイト…。
だけど背に腹は代えられないのか、
多くの研究者に支持され、利用されています。


日本でも、
利用している人がいるみたいです。


論文海賊サイトSci-Hubを巡る動向と日本における利用実態ーJ-stage


これを見ると、
有料論文だけじゃなく、無料で公開されている論文も、
ダウンロードしている人がいるんですね!


無料の論文は、
J-stageや各大学の機関リポジトリなどに行けば読めますが、
めんどくさいですからね。



その点、
一つのサイトで完結するSci-Hubは、やはり便利です。
それに、なんと言っても無料です。


どんなに質のいい学術雑誌を作っても、
無料&便利のコンボには敵わないでしょう。


気づけば、ウィキペディアのように、
寄付金を募って運営する学術情報インフラになってたりして。

そして、
だれも大手出版社の雑誌には投稿しなくなり、
投稿料や購読料を支払うカルチャーも潰えたりして。



もう、
ジャーナル稼業はこの辺りで、
限界なのかもしれません。


限界をごまかす手段が、
購読料のアップしかないのであれば、
サステイナブルとは言えません。


そのうち、
この仕組みもガラガラと崩壊するはずです。
(すでにブロックの崩れている音がしませんか?)



Sci-Hubのようなデータベースが、
主流になる日も遠くないのではないでしょうか。



もし、そうなってくると、
次は再び情報を精査する力が試されます。


私たちがgoogle検索を手に入れて、
何よりも必要となったのが、
情報検索の技術と精査能力です。


使い方はすごく簡単なのに、
却って奥が深くなってしまった。



それは、
シンプルであるがゆえにシェフの腕が試されるという、
プレーンオムレツのようです。
(何いってんだ?)



Sci-Hubが海賊から革命者になった先には、
ものすごい情報の渦が待ち構えています。



これに抗って泳ぐには、
一人一人が情報リテラシーを身につけておく必要がありますし、
常に自己研鑽を怠らないサーチャーや図書館員が必要になります。


そのために何ができるのか、
今後考えていきたいところです。