ごきげんよう、えぞしまです。



わたくし、お嬢様について独自に研究していて、いろいろな文献を読んだのですが、
日本のお嬢様を知るためには少女小説を読むのがよろしいと感じております。

少女小説ってのは、
今で言うところのコバルト文庫のようなもの。

明治大正昭和の乙女たちが、こぞって読んだと言う清らかな物語です。




てなわけで、
今回はこちらをご紹介。


実は、
えぞしまはこの本を
神保町ブックフェスティバル2017にて入手したのです。

だから、
もしかしたら絶版になっているかもしれない。

もし、この記事を読んで、
「あ、読んでみたいわ」と思ったら、
もし書店に在庫があれば迷わず購入してください。


本との出会いは一期一会。
ピンと来たら買うべし。


売り切れてて在庫がなければ、
図書館で探してください…。




んで、
この『紅雀』なのですが。




汽車に乗っていた家庭教師 純子は、
東京の車中で不幸な姉弟と出会います。


なんと、車中で母が突然死。
父はハルピンですでに他界。
美しい姉に可愛い弟、なんと一瞬で天涯孤独になってしまいます。

たまたま居合わせた純子は気の毒に思い、
自分が住み込みでお世話になっている辻男爵家に2人を住まわせられないか、と考えます。


辻家は、先代が早くになくなり、
若干19歳の珠彦が当主を継ぎ、
未亡人と、珠彦の妹である綾子が住んでいました。

とても優しい辻家の計らいにより、
なんとか不幸な姉弟は、孤児にならずに済むのです。


これはとても幸せなことだけど…
姉のまゆみは、性格が勝気なこともあって、なかなか居候に馴染めません。

弟の章一は天使なので、
無邪気で周りとすぐ打ち解けるのですが…。



このまゆみがどうみても、ただ者じゃない。
歌もピアノも乗馬もフランス語も達者なんです。
孤児なのに。
しかも弟は天使。



もうね、
どう見ても貴種流離譚です。


どうみても、
いいお家のお嬢様です。



ヒール役として、
お金持ちの成金お嬢様 利栄子が出てきます。
これが典型的な意地悪女で、
まゆみを目の敵にするんです。

しかも、
母親までギラギラしちゃって成金趣味まっしぐら。

なんで意地悪なキャラって、
親まで意地悪なんだろう???


母親は本当に嫌な奴なのですが、
利栄子の方は意地悪を突き通せないところがある。
ちょっと間抜けなところがいいんです。

それまではウザ〜って感じの女です。


利栄子みたいなのが、
少女小説に花をそえますよね。
あと王子様も欠かせない(珠彦)。



吉屋信子作品には、
中原淳一の挿絵がよく似合いますが、
まゆみに関しては少し合わない。

黒曜石のようなミステリアスな目元、
親を亡くし、弟と2人残された哀愁。

ちょっと厨二病っぽいような、
それでいて上品な空気をもつのがまゆみです。


まゆみの気高さを感じてもらいたいですね。