ごきげんよう、えぞしまです。



久しぶりに本屋に行ったら、
もう夏の文庫フェアのコーナーは撤去されておりました…。


また今年も読み残しが出てしまった~!
と言いつつ、来年が楽しみだったり。

2018年夏の最後の読書となったのがこちらです。


はなとゆめ (角川文庫)
冲方 丁
KADOKAWA/角川書店
2016-07-23




冲方丁といったら、SF作家のイメージがありますが、
『天地明察』や『光圀伝』のような歴史ものも書かれておられます。

今回は、清少納言が主人公。
女性が主役と言うことで、タイトルはひらがなに。
某有名少女漫画雑誌と同じタイトルになったのは、偶然だそうです(笑)




清少納言といえば、
誰もが聞いたことがある名前ですね。
「春はあけぼの…」の出だしはあまりにも有名。
私なんて暗誦させられましたよ。


国語の授業では、
「今でいうエッセイを書いた」とか、
「紫式部とライバルで、火花バチバチ」だとか、
「『枕草子』には自慢話も書いてある」とか、
エピソードに事欠かない人物。

しかし正直なところ、
大昔の人ということもあり、あまり実感がわかなかったというのも事実。


彼女がなぜ『枕草子』を書いたのか、
それを描いたのが『はなとゆめ』ってわけです。



清少納言は、ようするにプロブロガーみたいな人です(笑)
文章がめちゃくちゃうまい。OLの日常を綴ったブログ。

こう書くと、「世間の不条理をビシバシ斬る!」
みたいなイメージがわきますが、
そうじゃなくて、清少納言って言語化をめちゃくちゃ丁寧にやった人なんだと思います。

ただ言語化すると、
一部の人は「斬ってきた」「生意気だ」と
感じる人がいるんですよね。不思議なことに。

言語化って、
人が抽象的な思考を得るための第1ステップみたいなもんじゃないの???


清少納言はそれを丁寧にやった。
もともと、鋭い視線を持っていて、それを言葉にするのはうまかった。
そして何より、お仕えしている中宮様へのお気持ちがあった。

『枕草子』がやたらキラキラして、
自慢しているようにも感じられるのは、
中宮様との思い出や、気持ち、空気、匂いなどなど。
そういうものを書き留めたかったからなんだ!と思いました。

そりゃ、キラキラしますよ。


私もブログをやっていますが、
私の気に入ったことしか書きたくない。
厳しいことや不満を書くこともあるけれど、
それだって気に入っているから書いている。


けれど、当然現実はキラキラなんぞしていなくて、
苦悩もあるし、寂しさを感じたり不安に思ったり、
そこは現代の働く女性たち(あるいは子育てしている女性たち)と同じです。


インスタのアカウントに、
おいしいお料理やスイーツ、かわいいコスメにお洋服、
癒されるペットや、見ごたえのある景色を載せているのは、
自分をよく見せたいだけじゃないんです。
アカウントに、好きなものや気に入ったものをたくさん紐づけて、
見返したときに自分が回復できるような、
そんな場所を作るという意味合いもあります。


平安時代にSNSはないから…
清少納言は上質の紙と筆。
好きなもの、嫌だと思ったもの、あれやこれやと、
自分の美意識にあったものを書き連ねた。


その結果が『枕草子』ということ!



国語の先生に、
「清少納言は自慢話を書いた」と
屈折したことを教わったあなた。
清少納言のイメージ覆してみませんか?